難聴の原因には様々な種類があります
慢性中耳炎
鼓膜の奥の中耳に慢性の炎症があり、痛みはありませんが、時々耳漏(耳だれ)が出ます。
鼓膜に穴が開いている(鼓膜穿孔)ため、多くは中等度の難聴があります。
耳漏には主に抗生物質を使用し、根本的には手術治療を行います。
- 術後耳について
- 慢性中耳炎の手術を過去に受けられた方は術後の耳について定期的な清掃などの処置がひつような場合があります。
また、術後聴力が十分でない場合は、耳に補聴器を使用することで聞こえを補うことができます。
滲出性中耳炎
鼓膜の奥の中耳に炎症によって液(滲出液 しんしゅつえき)が溜まって耳が聞こえにくくなります。粘膜を調整する薬をのんでいただいたり、鼓膜に小さい切開を加えて溜まった液を吸引除去します(鼓膜切開術)中耳滲出液が溜まり続ける場合は鼓膜に換気用のチューブを挿入することもあります。
加齢性難聴
加齢が原因で60歳前後から始まる難聴です。進行は緩やかですが個人差があります。
聴力検査の結果により、補聴器使用をお勧めします。
突発性難聴
ある日突然片方の耳の聞こえが悪くなり、耳鳴り、耳のつまり感、聞こえている音が響くなど、聴こえの神経の症状が急に現れます。
ステロイド(副腎皮質ホルモン)などの薬で治療します。
※発症後、治療開始が早いほど治りやすいため、出来るだけ早めに受診されることをお勧めします。
メニエール病などのめまいに伴う難聴
めまいを起こす病気に、聴力の低下を伴うものがあります。
めまい、聴力低下にたいする薬を使用します。
「若年発症型両側性感音難聴」について
若い時に、左右両方の耳に難聴が始まり、その後様々な経過をとります。
原因がはっきりしない難聴を自覚しながらも、放置している場合が多いです。
- 40歳になる前から、聞こえにくさを感じている。
- 40歳になる前に、健康診断で難聴を指摘されたことがある。
- 50歳台で補聴器を使用している。
- 55歳になっていないが、以前から耳が聞こえにくい。
- 原因のわからない難聴で悩んでいるが放置している。
若年発症型両側性感音難聴の経過はさまざまです。
患者さまの症状に合わせて、難聴のカウンセリングを行います。
成壮年期の難聴についてあきらめず、よりよい聞こえのためご相談ください。
遺伝性難聴について
先天性難聴の原因のうち最も多いのは遺伝性難聴です。
先天性の聴覚障害(出生時から難聴がある)は、出生1000人に対して約1人と言われています。
この先天性難聴のうち、約50%は遺伝子が関与している遺伝性難聴であると推測されています。
残りの非遺伝性難聴にはウイルス感染による先天性難聴、外傷、薬物などによる難聴が含まれます。
近年、難聴に関与する遺伝子を調べ、難聴の原因を特定することができるようになっています。
当院の補聴器について
- 正確な聴覚検査にもとづいて、補聴器の調整をおこなっております。
- 補聴器の試聴、販売も行っております。
- 補聴器は管理医療機器であり、難聴には様々な疾患を伴うため、補聴器適合の前にはまず、補聴器についての知識や経験が豊富な耳鼻咽喉科医師の診察を受けることが必要です。